オンサイトワークで初めて現場対応にでられる方、特に普段、他の業界でお仕事されている方の多くが、下記の点で戸惑います。
- なぜマニュアル遵守がそこまで重視されるのか?
- なぜ「自分で考えて動く」ことが評価されないのか?
- なぜ些細なことでもエスカレーションを求められるのか?
他業界の感覚では、
「自律的に判断できる人材」のほうが高く評価されるため、
これらの点は違和感を持たれがちです。
しかし、オンサイトワークにおける評価軸は、そもそも前提が異なります。
クライアントが恐れていること
作業当日、現場をワーカーに任せているクライアントは、
- 無事入館してくれただろうか?
- 作業はどこまで進んだだろうか?
- トラブルなく完了しただろうか?
と様々な不安を抱えながら、作業完了の連絡を待っています。
とりわけ最も恐れているのは、
「自分の知らないところで、何かが勝手に決められ、実行されること」
です。
作業は事前に計画され、検証され、マニュアルが用意されてワーカーに委託されています。
いくつかイレギュラーが発生することも織り込まれており、そのためにエスカレーション先(多くの場合がクライアント)ではケース毎の「答え」を準備しているものです。
どんなイレギュラーが起きても、それがクライアントが把握し判断や検討の余地があるのならば対処のしようがあります。
ただし、ワーカーから報告や相談もなく、ワーカーの判断で事が進んでしまったとしたら、仮に状況が悪化してしまっても、クライアントは責任を持つことが出来ません。
この心理が、マニュアル重視・エスカレーション重視という文化を生んでいます。
マニュアル仕事は「思考停止」ではない
マニュアル通りに作業することは、考えなくていいという意味ではありません。
むしろオンサイトワークの現場では、
- マニュアル通りに進んでいるか
- 眼前の事象が、想定通りの事象であるのか
を常に考え続けることが求められます。
そしてイレギュラーの発生時には、自分で勝手に判断して作業を進めるのではなく、
クライアントが判断しやすいよう、正確かつ速やかなエスカレーションを行い、
クライアントの判断を仰ぐ。
これが評価される行動です。
エスカレーションはポジティブな行為
オンサイトワークの現場では、エスカレーションは消極的な行為ではありません。
むしろ、
- イレギュラーを検知した
- 自分の裁量外だと判断した
- イレギュラーの影響範囲を理解している
という証拠になります。
クライアントにとっては、ワーカーの技量が優れていることもさることながら、
『「勝手な判断をしない」という判断』ができるワーカーであることも評価軸になります。
逐一情報共有し、報・連・相・確認を実行できるワーカーは、
安心して現場を任せやすい存在になります。
オンサイトワークの価値観を理解すると楽になる
オンサイトワークは、
- 自分の裁量を広げたい人
- 数値でわかる成果を示したい人
にとっては、ストレスの多い仕事かもしれません。
一方で、
- 決められた範囲で確実に動く
- 責任の線引きを明確にする
こうした価値観に納得できる人にとっては、スムーズに行える仕事です。
続けるうちに、背景が見えてくる
一方で、オンサイトワークを続けていると、
基本的にはマニュアルに沿った同じような作業をしているはずなのに、
見えるものが少しずつ変わっていきます。
- なぜこの手順になっているのか
- どこでトラブルが起きやすいのか
- クライアントが何を嫌がるのか
こうした「背景」が見えてくると、
ただ作業をこなすだけの仕事ではなくなります。
- また次の相談の声がけがされやすくなる
- イレギュラー発生時、的確な報告ができるようになる
- 手当を貰って、リーダー役を任される
そんな変化が、自然に起きてきます。
最後に
オンサイトワークで評価されるのは、
「自律的に判断できる」ワーカーではなく、
『「勝手な判断をしない」という判断』ができるワーカーです。
マニュアルを守ることも、
エスカレーションを行うことも、
クライアントにとっては安心材料です。
この前提を理解したうえで現場に立つと、
オンサイトワークが紋切り型の仕事ではなく、
信頼を積み重ねる仕事として見えてくるはずです。
